【エンディングのネタバレ注意】
アルバム「王子と狼」

アルバム-Memory-「王子と狼」

ストーリーが流れた章・ステージ

終章:魔女の館-古き童話の残照

アルバム

※エンディングのネタバレが含まれます。
【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その1
あるところに…
小さな王国を取り囲む闇深い森がありました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その2
昼でも薄暗い闇の広がるその森は、
魔女が支配し、人食いの化け物が徘徊する恐ろしい森でした。
森の闇は奥深くへ行くほどに濃さを増し、
人々はその闇を恐れ、森の中へ入るものはほとんどいませんでした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その3
そんな恐ろしい森ですが、
月夜の晩には誰かの歌声が聞こえてきます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その4
…いいえ。それは歌とは言えない程に、
ずいぶんとへたくそなものでした。
声の主は、狼を思わせる姿の化け物。
彼女は毎夜、この小高い岩の上で
寂しそうな声で月に向かって歌うのでした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その5
「…なんでわたしは歌ってるんだろう…」
「あんまり歌、うまくないのに…」
狼は時々、とても寂しい気持ちになるときがあり、
そんな時はなぜかここで歌を歌いたくなるのでした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その6
どうしてだろう…と考えようとしても
記憶に白いもやがかかり、何も思い出すことはできませんでした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その7
「なんか心にぽっかりと穴が空いたような感じ…」
狼の寂しげな歌は夜の闇の中に吸い込まれるように
消えていきました。
歌い終わると、辺りに静寂が訪れます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その8
何をするわけでもなく、狼が空を見つめてぼんやりとしていると
不意に近くから物音が聞こえました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その9
「よい…しょ…」
狼はびっくりしました。
見知らぬ人間が、突然岩を登って目の前までやって来たのです。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その10
ですが、狼にとっては人間など敵ではありません。
しかも目の前に現れたのは肉の柔らかそうな人間の子供でした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その11
最近はあんまり人間を食べる気が起きませんでしたが、
久しぶりのご馳走が向こうからやってきたのです。
小腹も空いてるし引き裂いて食べてやろうと
大きな爪を振り上げました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その12
その爪を振り下ろそうと力を込めたその時、
不意にその人間が何かを差し出しました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その13
視界いっぱいに広がる色とりどりのそれに狼は目を奪われ
振り下ろそうとした手を思わず止めてしまいます。
なぜか懐かしさを感じる、優しい香りが狼を包み込みました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その14
「……花…?」
それは、いくつもの花が束ねられた小さな花束でした。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その15
「そうだよ、今までのお返し」
そういって、その人間は柔らかく微笑みました。
狼にはなんのことだかわかりません。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その16
「また会いに来たよ、姫」

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その17
その言葉を聞いた瞬間、狼の目からぽろりと涙がこぼれました。
涙はあとからあとから溢れだし、
言い表せない感情と共に止まらなくなりました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その18
狼には目の前の人間が何を言っているのか全くわかりません。
だけど、正体不明の大切な何かが心の穴を満たしていきます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その19
狼は振り上げた爪をゆっくり下ろし、
差し出された花束に手を伸ばしました。
やさしく、やさしく握られた大きな手の中で、
小さな花は静かに揺れました、狼はその場に座り込みます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その20
花束を手渡した人間は嬉しそうに微笑み、狼の隣に座ります。
狼のぼやける視界の向こうで人間の笑顔が揺れました。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その21
狼と人間は寄り添い、狼は歌を歌い始めました。
それはお世辞にも上手いとはいえない、
どうしようもなくへたくそな歌でしたが
人間は嬉しそうにそれに耳を傾けます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その22
これまで月に向かって歌われていたその歌は、
今は隣に居る人のために歌われます。

【嘘つき姫と盲目王子】アルバム「王子と狼」その23
それは不器用だけど、
素直な気持ちがこもったとても温かな歌声となり、
夜の森にいつまでの、いつまでも響き渡りました。



アルバム-Memory-一覧

序章:森囲われの城

第一章:入らずの森

第二章:巨大笠の苗床

第三章:魔女の庭

第四章:青淵の洞

第五章:罪火の森

終章:魔女の館

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